2013年8月22日木曜日

Dalahäst 

ダーラヘストの生まれ故郷






今回は”Dalahäst(ダーラヘスト)”を紹介します。

ダーラヘストは「ダーラナの馬」という意味で、
スウェーデンのダーラナ地方で生まれたスウェ―デンの伝統的な民芸品です。
「幸せを呼ぶ馬」としても人々に愛されるダーラヘストの魅力をお伝えしていきます。


現在はスウェーデンを代表する工芸品として日本でも有名ですが
元々は子供のための、木のおもちゃとして造られたのが始まりです。




豊かな森に囲まれた伝統的な木造建物が多く残るダーラナ地方には、
ダーラヘストと同じ「赤い色」に塗られた家々をたくさん見ることができます。




この赤い壁の色はFalu rödfärg(ファルーロッドフェリ)と呼ばれ、
世界遺産にも認められているFalu Koppargruva(ファールン鉱山)で
銅を採掘された銅を精製する時に作られる顔料から出来ています。

この塗料には防腐効果があることで知られており
ダーラナ地方だけではなくスウェーデン全土の家々を飾る
美しい赤い塗料として長年使われてきました。

私の住んでいるヨーテボリ地方は、沿岸沿いの海に面した街ですが、
海辺の小屋は海風に吹きさらしにされても耐久効果を保つ事の出来る
この赤い塗料で塗られています。





初めてスウェーデンで木製の馬が作られるようになったのは
今から400年も前に遡ります。

原初は無垢材を活かした白木、又は単色で塗られていましたが、
家具の装飾や色彩に影響を受け、1800年頃から
今のような美しい模様と色彩で
表現されるように発展してきました。

一般的なダーラヘストはFalu rödfärg(ファルーロッドフェリ)の赤い色が
多いですが、白や青、黄色、灰色など様々な色のバリエーションがあります。




Leksand(レクサンド)地方のNusnäs(ヌスネース)には、
ダーラヘストの工房が集まっていて絵付けの工程を
自由に見学できるようになっています。

鮮やかな色彩と、繊細な絵付けが、今もひとつひとつ手作業で作られています。
絵付けする人によって、少しづつ馬の表情や、模様がなんとなく
違って見えるのは、手作りの温かさならではです。











Rättvik(レットビーク)の地域の馬はグレー色をしていて
フォルムは直線的な線を描いています。





Tällberg(テールベリ)地方の作家Inger Jacobsson(インゲール ヤコブソン)さんは
絵画からインスピレーションを受けた写実的で童話の世界のような雰囲気の
絵付けのスタイルを持っています。







それぞれの地域の特色を持ったダーラヘストは
ダーラナ地方の伝統と自然の中で培われて
今も人々を魅了し続けています。

日本でもスウェーデンの代表的なお土産としても知られているダ-ラヘストですが
もし今度、ダーラヘストを見かけたら、その長い歴史や生まれ故郷、
今でも手作りで作られているダーラヘストの作者に
思いを寄せてみては。。いかがでしょうか。

















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